脱帽です2020/06/09 09:48

昨日の棋聖戦第1局は、本当に手に汗握る熱戦でした。そして、最後は読み切って勝ったことに胸が熱くなりました。
コロナ禍で暗いニュースばかりの時に、この爽やかな青年(になりましたね!)が全力を振り絞って対局する姿に励まされ、応援したくなる人が多いのは当たり前ですよね。

ある意味、また過剰なほどの報道で、的外れなコメントも多い中、彼はまた淡々と次戦への準備をしていることでしょう。

しかし、今月からの超過密日程には本当に心配させられます。期待に応えて最年少タイトル挑戦記録を塗り替えたのも、そのお陰とはいえるのですが、あのような現・元タイトルホルダーを相手の激戦をずっと勝ち続けて、さらにまた順位戦や他の棋戦もどんどん戦わなければならず、学校に通えないだけでなく、自宅にさえ帰れない状況は過酷です。

それは勿論、他の棋士も同じで、渡辺3冠も今日移動して明日また別のタイトル戦があり、それぞれ本当にお忙しく、ご苦労も多いと思います。

将棋界の最高レベルの棋士(A級棋士)達がいくら天才と言っても、100%勝てるわけではなく、相手がどんどん強くなれば勝率も7割未満でトップ棋士です。全盛期の羽生善治さんでも年間8割勝ったのは確か2度です。

藤井七段の対戦は明日からまたどんどん続きます。その中で「意外な」相手に負けることもあるでしょう。しかし、それでも年間で見ればきちんと結果が出ているはずです。
藤井七段は、自分のピークを20代前半に設定しています。
事実、勢いのあるトップ棋士はその年代です。

それにしても、勝ち続けることは本当に大変です。今回の棋聖戦も一次予選からずーっと勝ち続けてこの舞台に立っているのです。
ただ、今までにどんどん勝っているので、予選免除の棋戦も増えてきました。という事は、益々勝ち易くなってきているということです。(勿論相手も強いわけですが。)

複数冠はもう目前なのです。そして、ここに至る迄の対局内容が一段と素晴らしかったように、最強の相手との対局でお互いを高め合い、今までと違う次元に入ろうとしています。
端的に言うと、藤井七段の指し手の意味を瞬時に理解できる棋士がもうほんの数人になってきています。俗にAI超えと言われる指し手です。

いやあ本当に眼福です。彼の進化と「最終形態!」を長生きして見届けたいものです。