記録更新!2020/06/05 09:46

昨日の対局は素晴らしい熱戦でした。そして見事な勝利でした。
強さは本物です(確信していましたが)。
結果は後からついてきますが、挑戦者になったことで、更なる飛躍は約束されました。藤井「七段」と呼べる時間はもう残り僅かとなったとも言えるでしょう。

今回のタイトル戦は4時間の一日制なのでまだやや不利かもしれませんが、互角の熱戦を繰り広げてくれるでしょう。今までもそうですが、今回のタイトル戦でも、藤井七段の一方的な負けはあり得ません。
万一初戦から2連敗があったとしても0ー3で負け、もあり得ません。いや、私の予想は3ー2のフルセットで初戴冠です。

藤井七段は今回の渡辺3冠との対局で、間違いなくまた大幅にパワーアップします。ええ、まだまだ強くなるのです。恐ろしいほどの強さですが、それは持ち時間が長いほど発揮されます。2日制のタイトル戦の方がより合っているのですが、それでも素晴らしい対局を見せてくれるでしょう。

藤井七段の一番の強さはメンタルです。あの若さでこのメンタルの強さは驚異的です。それを支えているのは、師匠の杉本8段のおっしゃるように、「マグマのような」闘争心、負けず嫌い、です。
しかし、反面、敗戦直後の、往々にして的外れで、時に大変失礼なインタビューに対する応答も完璧です。

気を衒わぬ王道をいく将棋の内容、謙虚な人柄、本当に風格すら漂い始めました。
もう安心して藤井七段の進化と大成を楽しみに生きていきたいと思います。

昨日も、永瀬2冠が先手(タイトル戦などでは先手が圧倒的に有利です)で、しかも藤井七段が苦手とする「相掛り(あいがかり)」の研究手をぶつけてきました。研究時間が限られる現役高校生と、将棋の鬼のような、惜しみなく時間を投入できる、ほぼ全盛期といえる永瀬2冠相手に最初はかなり押されながらも徐々に受け切って、最後はあっという間に勝勢に持ち込んだその力に、脱帽です。