仙丈ヶ岳2025/08/09 12:24

8月4~5日で仙丈ケ岳に行ってきました。 20年ぶり、3度目になります。
 仙丈ヶ岳に行くには、令和元年の台風19号の甚大な被害により、南アルプス林道も戸台口(仙流荘)からしか入山できません。となると、選択肢はほぼ一択。まいたびのアルペン号夜行バスになりました。
 ということで、20年前なら夜行日帰りも可能だったかもしれませんが、山友も私もそれなりの年齢な上に夜行明けや高山病の可能性もあるので、初日は途中の馬の背ヒュッテ泊りにしました。
 夜行バスは途中休憩や、ほかの登山口等に寄りながらも予定通り、朝5時前には仙流荘に到着。 降りると風が爽やかで、酷暑の東京から来た身には天国です。 奥には鋸岳が顔をのぞかせています。
駐車場には平日というのに既にかなりの車。既にバスを待つ人の列も伸びています。
              (click で拡大します。↓)

 休日の長蛇の列を想定してか、路面にはシートが敷かれ、並び順が指定されています。チケットは仙流荘内の自販機での購入ですが、まだ閉まったままです。ということで、山友Mさんはバス待ちの列に、私はチケットの列に並びます。外には立派なトイレ舎と飲み物の自販機もあって有難いですね。

 5:30頃ようやく仙流荘の入り口が開き、現金組とカード(キャッシュレス)組に分かれて進みますが、券売機は4台ほどあって係の方もおり、タッチ決済も出来るので列はどんどん進みます。

 平日はバスの始発が6:05ですが、少し早めに乗車開始。補助席まで使うものの全員着席で、満席になり次第どんどん出発します。途中下車可能ということで、私たちは大平(おおだいら)山荘で降ろしてもらいました。

降りたのは私たちだけでしたが、目の前には鋸岳が聳えています。
山荘は無人のようでしたが、なんとオオビランジがお出迎え。


 本当に静かで涼しく、期待が高まります。なんといっても今日はコースタイムが2:30なので、どんなにゆっくり歩いて好きなだけ写真を撮っても、昼前には小屋に着く(はず)です。 まさに「大人の山旅」。 静かな樹林帯を熊鈴を鳴らしながら出発。
 平坦で涼しい樹林帯、すぐにお花が出迎えてくれます。あまりに小さいので見落としそうですが、予想外の数に小躍りしながら心行くまで撮影タイム。




どこまでも続くコイチヨウラン・ロードです。 ただし、森は暗く、被写体も小さすぎて、なかなかピントが合いません。 この辺りではもう足が止まって前に進めません。
(結局この日は150枚以上も撮りましたが、まともなのは数枚~数十枚。)

これはお初のアリドオシラン。これも小さいですがあちこちににゅっと伸びていて、ユニークな形をしています。


これまた小さなコフタバラン。あまりに小さいので見落としがちです。
久しぶりのキソチドリも数株ありましたが、終わっているものが殆どでした。

キソチドリ

なだらかな道が少し急になってくると沢に沿うようになり、振り返るとなかなかの絶景です。


沢沿いの樹林帯はコケも多く、ひんやりして気持ちの良い登りです。


赤い小さな花が特徴のクロクモソウ、コバノイチヤクソウ、セリバシオガマ、ミソガワソウ、
そしてミヤマダイモンジソウも。


あんなに深かった谷がどんどんせりあがってきて、とうとう丸太橋で対岸に渡るようになります。


ここまでは私も気分よく登っていて、「この調子だと、何なら今日中に登頂すらできるかも?!」とルンルン気分だったのですが・・・・。
橋を渡ると雰囲気がガラッと変わって、日差しがまぶしいカンカン照りの道に。


まず目に飛び込むのは一面の黄色の絨毯。
オトギリソウです。これでもか、というほどの数であたりを埋めています。


ウサギギク

マルバダケブキ

タカネグンナイフウロ

タカネナデシコ

ソバナ

センジュガンピ

ここでも向こうの崖に鮮やかなオオビランジも見つけました。


暑くて眩しくて、サングラスをかけましたが、ここで一気にペースダウン。
でも振り返ればやっと甲斐駒が見えてきました。


 朝、調子に乗って「撮り放題」したツケが溜まってか、急にバテてしまい、日陰に入るたびに立ち休み。救いは、途切れることのないお花畑。
オヤマリンドウ、ネバリノギラン、ミヤマコウゾリナ、ミヤママンネングサ、ハクサンフウロ、ムカゴトラノオ、パセリのような葉っぱのタカネヨモギも群生しています。

すっかりお日様も高くなって、私はバテバテ。
3歩進んで2歩下がる、ではないですが、一段とスローペースに。
もう小屋は遠くないはず、と思いつつ頑張って歩きます。
周囲の鹿よけネットの中はお花畑。それがマルバダケブキばかりになってくるとようやく馬の背ヒュッテ。
なんと正午をとっくに過ぎて12:20到着。(大平小屋を7:00に出たのですが・・・。)

まあちょうど昼食にはよい時間??に着いて、まずはお部屋に入り、荷物を降ろしてから食堂で持参のお昼を食べます。窓から甲斐駒も見えて、ほっと一息。
Mさんが小屋のコーヒーをご馳走してくれました。これは本当においしいコーヒーでした。
 小屋に着いたら水分はたっぷり取らないといけない、ということで手持ちの水分を飲み切って、更に500円の麦茶も買ってがぶ飲み。

 夜行明けなので4人部屋に二人だけでゆっくりお昼寝。2時間ほど爆睡し、その後は食堂の図鑑を見たり、また戻って荷物整理したり。
今日は貸し切りかと思いきや、かなり遅い時間にもう1組が到着。でも女性のみなので気楽です。

5時の夕食、こちらは鹿対策を兼ねてジビエの鹿肉カレーとなっています。
(事前に伝えておけば豚肉に変えてくれます。)


ちなみに、この小屋は水が豊富で、外ながら水場は流しっぱなし。これは飲めるそうなので助かりますね。1つ上の仙丈小屋は水が涸れているそうです。
トイレは小屋の裏に回っての旧式のトイレです。

明日朝はおにぎりに変えて頂いたので、7時前にそれを受け取ったらもうすることもないので寝ます。厚いマットに毛布を敷き、手製のインナーシーツの上にもう一枚。中に潜り込めば、寝るだけです。

とはいえ、一度9時ごろトイレに起きると、少し霞んでいるものの、夏の大三角形が見えました。月が明るいので、降るような星空は望めませんが、それでも星が見えるとうれしいですね。

風が強く吹いているようで少し気になりますが、横になれば数時間は眠れました。ちょうど0時ごろ一旦目が覚めましたが、横になっていることで体も休まるのであまり気にせず、周囲がにぎやかになってきた4:30ごろには起きることにしました。
「夜トイレに起きたら、小雨が降っていたの。」とMさん。
今は降っていないようですが、お天気が少し心配です。

朝食を頼んだ方は5時からですが、私たちは部屋でおにぎりを食べてから出ることに。経木に包まれて3個入っています。1個半食べて、残りはお昼用とします。

風が強そうなので、稜線に出て強風ならば、カールの縁を回る小仙丈への周回コースはエスケープも出来ないしあおられて危険と判断し、引き返すことも想定します。
 支度して下に降りると、雨は止んでいるものの、ガスっていて風もあります。
念のため1本ポカリを買って、5:35出発。

しばらくは鹿よけネットの間を縫って登っていきます。体も頭もまだ寝ているので慎重に。ほかの登山者も追い越していったり、上から降りてきたり。
今日は人が多いようです。

登りなので見つけやすいのか、ベニバナイチヤクソウ、ゴゼンタチバナ、ミヤマホツツジ、バイケイソウ、そしてミネウスユキソウ。

ガスの向こうにいきなり小屋が見えて、仙丈小屋に到着。
きれいな水洗トイレお借りして(200円)、いよいよ山頂へ向かいます。

遮るものがなくなってくると風の強さを感じます。残念ながらガスが切れる気配は全くなく、これはきっと山頂ピストンしかないね、と話しながら登ります。

タカネヒゴタイ

トウヤクリンドウ

イワギキョウ

最後の登りが始まるあたりでは暴風に。これは厳しいね、と話しながら、急な岩場を登っていくと、上から降りてきた若いお兄さんが、「大仙丈まで行こうとおもったのですが、風がひどいのでやめて引き返してきました。」とのこと。
やはりそうなりますか。

直下は体感風速17~20mの暴風で、バランスを崩さぬよう慎重に足を運び、時に固まり、何とか登頂。7:30

はい、何も見えません・・・。

何組か登頂してきますが、初めての方が大半のようで、皆さん小仙丈へ行けるかどうか判断しかねている様子。
山頂で何組か写真を撮ってあげながら、おせっかいなオバ(ア)さんである私は、「この風でカールの縁を歩くのは危険だから、引き返すほうがいいですよ!」と強調。

心配そうな、柏崎からいらしたという女性2人組と一緒に降りることになり、なんちゃってリーダーの私は声をかけながら暴風の中、岩場を下ります。

途中のイワギキョウやトウヤクリンドウに励まされながら降りていくとやっと岩陰になって風がよけられるのでほっとします。
「展望がなくて残念だけど・・・。こんな時はライチョウでもいないかなあ~」

すると向こうに動くものが。↓


いやあ、会えてよかったです。遠目でしたが、今年も見ることができました。
残念ながら期待のタカネビランジは全く見つかりませんでしたが。

下りはお得意の私たち。仙丈小屋に戻ったのが8:10で、10分休憩後、馬の背ヒュッテに9:10~20、丸太橋の分岐に9:30到着。

このころには時折日も射して、「10時になれば晴れるという予報だったよね~」と言いながらも降りるしかありません。


ここからは往路と違って藪沢小屋経由で北沢峠に向かうコースに進みます。
15分で藪沢小屋。沢の間を縫うように進み、カイタカラコウやトリカブト(キタザワブシ?)が咲いています。

カイタカラコウ(甲斐宝香)はマルバダケブキより一段と小さく、花が5弁、葉の先がとがって三角形なのが特徴です。

山も秋の花が咲き始めていますね。

藪沢大滝の頭で主稜線に合流します。10:25+小休止
4合目(10:55~11:05)、2合目へとどんどん下りますが、樹林帯の石がゴロゴロした段差の道で、花もないので面白くないルートです。20年前の記憶に唯一残っているのがこの道のことでした。

北沢峠13:10発のバスに乗りたいのですが、2合目(11:45着)まで来るとあとはコースタイム40分なので、ここで軽くお昼兼大休止。

実は年齢が近かった同行の女性たちとおしゃべりしながら楽しく降りることができました。

北沢峠に12:50着。
バスは屋根のあるベンチの上に番号が振ってあり、これまた整然と乗車できるようになっているのは流石です。

無事に1台目に乗り込み、1時間弱で仙流荘へ。
マイカーで帰る彼女たちを見送って、800円払ってお風呂タイム!
空いていて、ゆっくり汗を流し、食堂の椅子に腰かけて休憩。
北沢峠では通じなかったLINEで下山を報告し、16時のバスを待ちます。

帰りは数名の乗車でしたが途中3か所くらいで他の予約客を拾い、高速に乗って一路新宿へ。予定より少し早く21時前に到着。

お花尽くしの今年の夏山も無事終了。
Mさん本当にお世話になりました!
来年もまた夏山ご一緒しましょうね!