英語 民間試験 導入延期 ― 2019/11/01 19:03
まず何よりも、延期、見直しは良かったと思います。
受験生に英語を教えている者として述べれば、同僚は全て、最初から導入は無理、無茶苦茶、一刻も早く中止すべき、で意見は一致していました。
現場の高校の先生や受験生からも早くから疑問の声が上がり、中止を求める声が止まなかったのに強行しようとしたその姿勢は、いくら非難してもしきれません。また、担当大臣の本音発言が契機となり、本当の意味での配慮ではなく、政治的判断として急遽中止が決まったことにも憤りを感じます。
中止・見直しは何とか間に合ったものの、散々振り回された教師、生徒、更に民間試験業者各位にはお気の毒としか言いようがありません。思えば、制度をいじることで度々受験生は泣かされてきました。
本当の意味で責任を取る人がいない事が問題です。
そもそも大学受験に英語の民間試験を導入することが、無茶苦茶でした。大学によって、求める英語能力は異なりますし、中身とレベルが全く違う複数の民間試験から自分で選んで受験するというのも乱暴な話です。誰が考えても拙速で稚拙な施策です。それをギリギリまで「強行してしまえば何とかなる」と判断していた関係者にも猛省を促したいものです。そして、これが日本の教育行政の実態とは情けないの一言です。
私の予想では、5年後には、この話自体が消えて無くなっていると思います。基本的には、やはり各大学が独自試験を行うのが正論でしょう。
その上で、必要に応じて、民間試験を併用することもできるでしょう。
論理的思考と言わないまでも、筋の通った内容を話すにはやはり文法や語彙が絶対必要です。母国語である日本語とは根本的に違う言語を習得しようとすれば、少なくとも片親がnative speakerでもない限り、ただ音声教材を聞き流すだけとか、会話偏重で進めても、なかなか学問の上で必要とする英語能力が身につくとは思えません。
本当は、もっと根本的なことから再考すべきでしょう。つまり、全ての日本人に英語を必修とするのはどうなのか、と。
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