beast とは。2021/07/18 17:09

藤井聡太 王位・棋聖が、まずは見事に棋聖戦を3-0で防衛しました。
相手は名実共にトップの渡辺名人です。素晴らしい内容で、タイトル3つ(防衛も1回と数えるため)で最年少九段昇段を果たされました。

並行するもう一つの王位戦では、初めての完敗後、後手番で、見事に豊島竜王に勝ち、タイトル戦を五分に持ち込みました。
こちらは7番勝負なのであと3局を先勝した方がタイトルを得ることになり、まだ先は長いです。
各地を転戦する2日制の長い持ち時間の対局なので、「相性が悪い」とも言われる豊島竜王ともこれから互角以上に戦えるものと思います。

豊島竜王とは、更に叡王戦でも立場を変えて挑戦者として対戦するので、このお二人の対局がずっと続くことになります。
竜王戦にも挑戦者として名乗りをあげて欲しいので、もしかすると更に「二人の世界」が続く可能性もあるのですが。

さてこの棋聖戦がストレート勝ちだったためになくなった、5番勝負の第4局の対局場だった名古屋のB寺が、藤井二冠を迎えて「棋聖防衛祝賀会」を開き、オンラインでも公開されたので見ていました。

御住職の挨拶で、耳を疑う発言が(いくつも)あったので驚愕したのですが、そこにこのbeastという言葉がありました。
beastは普通は「獣(ケダモノ)」という意味です。「美女と野獣」がBeauty and Beastなのですが、事もあろうに、藤井二冠に対して「あなたはbeastです」と言ったのです。

どうやらこの言葉はメジャーリーグの大谷選手に対する褒め言葉として使われたようで、それを聞いて、ここで使ったようでした。

確かに、俗語的に、運動選手が超人的な能力を発揮した際には褒め言葉として使うようですね。しかし、それ以外の状況では普通に「ケダモノ!(最低な奴!)」です。

どうしてもう少しだけ言葉を選べなかったのでしょうか。二冠に対してあまりにも失礼です。本当に怒りがこみ上げてきました。
(他にも、藤井二冠/棋聖と呼ぶべきところを藤井君呼びだったり、豊島二冠を三冠と呼ぶなど、最低限の敬意さえ持っているのかどうかも怪しいものです。)

よく知らない言葉、ましてや外国語を使うときにはTPOを考えて慎重に選ぶのは基本中の基本です。勿論、他山の石にしますが、若いからと言って将棋界の宝がこのように軽く扱われるのは堪りません。


本当に対照的に、藤井棋聖の言葉は謙虚で思慮深く、どちらが年長者なのか疑わしいほどでした。
多分、期間限定なので早晩リンクは切れると思いますが、一応貼っておきます。

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